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<うつ病とは> Z 悲哀の仕事 悲哀は対象喪失に引きつづく自己と対象の分離の認識、および愛情対象の喪失と同時にその愛情対象に投影同一化していた自己部分の喪失に基づく抑うつ態勢の破綻であり、悲哀の仕事と呼ばれる償いと取り入れの時期を経て心は統一性を回復します。そこでは自己の憎しみによって傷つき、死にかけている対象を修復し「償って」いくことが主要な課題になります。償いとは、愛情による憎しみの緩和です。 ところが、個体の憎しみが愛情を上回っているために対象の損傷が激しく、愛情による償いが停滞し個体が傷ついた対象を抱えたままになってしまっている場合は、傷ついた対象からの責めとしての迫害的罪悪感が発生することになります。愛情による憎しみの緩和が成功せず償いによる対象の修復ができなくなり、そのため病者は傷ついたり死んでしまった対象を内在化させるのです。罪悪感の観点から見てみますと、抑うつ的な罪悪感に対して迫害的な罪悪感が優勢となっているために正常な悲哀の仕事が停滞してしまう、と言うことができます。 愛情対象を失ったという悲哀に引きつづいて愛情対象を償いにより修復してあって、その対象に向けられた憎しみが愛情によって緩和されていない場合、病者は自己の憎しみによって傷ついている対象を取り入れる結果、病理的な状態が起こるのです。 |