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<うつ病とは> T はじめに 私達、賀来メンタルクリニックは昨今の“うつ病は心の風邪”という表現に含まれている抑うつについての安易で表面的な理解とそれがもたらす弊害についての警鐘を鳴らしたいと思い、そして、抑うつの精神病理についての概括的な精神分析的な理解を示します。次に抑うつの精神分析的な解明を提示し、又、抑うつをコンテインするための治療の看護の要点を示しています。 そして、現代精神分析の理論的な到達点を確実に踏まえながら、かつ臨床現場での実践に有用な活用資源を提供します。また、私達は今までのわが国の精神分析的心理療法に伝統的であった週1回対面法の設定だけではなく、週2〜4回の治療やカウチを使った治療も行っています。それは、わが国の今日の精神分析の進展を端的に示すものであり、国際的な水準に近づいていることを物語っていると自負しております。精神分析臨床の発展にわが国の貢献が今後一層活発になることを私達は望みます。 私達はパーソナリティ障害の病理を、喪の過程における悲哀の仕事の逸脱として理解することを試み、その理解をうつ病の理解をさらに深めるために展開させています。その元となったのがフロイト、アブラハム、クラインのうつ病理解を、ビオンのメタサイコロジー論を咀嚼することによって補完することでした。そういう意味では彼らの論文は私達の臨床実践全体をまとめ上げている基幹論文です。まず私達は、抑うつの精神分析理論の歴史を踏まえた展望を行っています。ですから、抑うつの精神分析的な理解をより深めたい方達はこの2つの論文を参照しながら、フロイト(1917)の「悲哀とメランコリー」、アブラハム(1924)の「心的障害の精神分析に基づくリビドー発達史試論」、クライン(1935、1940)の「躁うつ状態の関係」を中心に読み進め、そして、ビオン(1962、1963)のメタサイコロジー論、なかでも「考えについての理論」、「経験から学ぶ」等の思考の生成と発達に関する理論の概略を把握し、グリーンバーグ(1992)の著書で全体を概観されるとよいでしょう。 では今から私達の主張とその視点を整理いたしましょう。 |